コンテンツへスキップ
図解手帖 ZUKAI TECHO

水筒・やかんの金属溶出に注意|傷とスポーツ飲料の組み合わせが危ない

内側に傷やサビのある金属製の水筒・やかんに、スポーツ飲料など酸性の飲み物を長時間入れると、銅などの金属が溶け出して中毒を起こすことがあります。実際の事例と3つの予防ポイントを1枚図解で整理します。

家事 読了 4 分 公開:
水筒・やかんの金属溶出を防ぐ3つのポイント(傷とサビの確認・酸性飲料を長時間入れない・古い容器は交換)を示した図解
水筒・やかんの金属溶出を防ぐ3つのポイント(傷とサビの確認・酸性飲料を長時間入れない・古い容器は交換)を示した図解

内側に傷やサビのある金属製の水筒・やかんに、スポーツ飲料など酸性の飲み物を長時間入れると、銅などの金属が溶け出して中毒を起こすことがあります。実際に頭痛・めまい・吐き気の事例が報告されています。防ぎ方は「傷の確認・長時間入れない・古い容器は交換」の3つです。

なぜ金属が溶け出すのか

金属製の水筒やステンレスボトルは、内側の表面で飲み物と金属の層が直接ふれないようにつくられています。ところが傷やサビ、落下による破損があると、本来ふれないはずの部分が露出します。そこへ酸性の飲み物が長時間とどまると、金属成分が飲み物側に溶け出します。

東京都保健医療局は、酸性の飲み物として炭酸飲料・乳酸菌飲料・果汁飲料・スポーツ飲料を挙げています。炭酸、乳酸、ビタミンC、クエン酸などを多く含むほど酸性度が高くなります。夏に飲む機会が増えるものばかりで、熱中症対策としてスポーツ飲料をまとめて作る場面と重なるのが、この問題の厄介なところです。

実際に起きた2つの事例

東京都の資料には、性格の違う2つの事例が載っています。この2例を並べて読むと「傷」と「蓄積」という2つの経路があることが分かります。

内側に傷がついた水筒の例。 水筒に入れたスポーツ飲料を飲んだ6名が苦味を感じ、頭痛・めまい・吐き気を発症しました。通常は乳白色の飲み物が青緑色に変化しており、残っていた飲料から高濃度の銅が検出されています。飲み物を詰めたのは朝7時半ごろ、飲んだのは午後2時ごろ——わずか半日です。水筒の壁は保温のため二重構造になっていて、通常は飲料に接しない部分に銅が使われていました。内部の破損からスポーツ飲料が染み込み、そこの銅が溶け出したと考えられています。

古くなったやかんの例。 アルミニウム製のやかんでつくった乳酸菌飲料を飲んだ保育園児15名が吐き気・おう吐を発症しました。やかんは内側が黒く変色し一部が腐食していて、飲み残しからも変色部分からも銅が検出されています。長期間お茶を沸かすうちに水道水に含まれる銅がやかん内側に蓄積し、そこへ酸性の飲料を入れたためと考えられました。

つまり**「アルミのやかんなのに銅中毒」**が起こりうるということです。容器の素材だけを見ても判断できません。

3つの予防ポイント

1. 内側の傷・サビを確認する。 使う前に中をのぞいて、傷やサビ、変色がないか見ます。落としたりぶつけたりした後は、外側が無事でも内部が破損していることがあるため特に注意します。

2. 酸性の飲み物を長時間入れっぱなしにしない。 容器と飲み物の両方の注意書きを確認し、長時間の保管は避けます。やむを得ず長時間置いた場合は、いつもと違う味や色になっていないか確かめてから飲みます。

3. 古い容器は定期的に交換する。 古くなった水筒ややかんは内部が劣化・破損している可能性があります。やかんの内側の黒ずみも、蓄積のサインとして見過ごさないでください。

味と色が最後の砦

事例に共通するのは、飲んだ人が**「苦い」と感じていることと、飲み物の色が変わっている**ことです。金属の溶出は目に見えない現象ではなく、味と色に手がかりが出ます。子どもが「変な味がする」と言ったら、我慢させずに飲むのをやめさせるのが安全側の判断です。

情報の正確性について:掲載内容は公開時点の公的な注意喚起(東京都保健医療局・食品安全FAQ/2022年6月15日更新)にもとづく一般的な情報です。容器ごとの使用条件は製品で異なるため、取扱説明書に従ってください。体調に異変を感じた場合は医療機関にご相談ください。

水筒そのものの洗い方は水筒・マイボトルの洗い方とパッキン、選ぶときの観点は水筒・マイボトルの選び方で扱っています。夏の食中毒全般は夏の食中毒対策、水分のとり方は水分補給の基本もあわせてどうぞ。

家事の記事一覧はこちら

シェア・保存 でシェア LINE

この記事を書いた人

図解手帖編集部 編集部

暮らしの実用情報を1枚図解+解説でお届けする編集部です。公式・一次情報を出典に、断定を避けた正確な情報発信を心がけています。

よくある質問

どんな飲み物が「酸性の飲み物」にあたりますか?
炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、スポーツ飲料が代表的です。炭酸、乳酸、ビタミンC、クエン酸などを多く含む飲み物は酸性度が高くなります。これらを傷やサビのある金属製容器に長時間入れると、容器の金属成分が飲み物に溶け出すことがあると東京都は説明しています。
見た目に傷がなければ大丈夫ですか?
落としたりぶつけたりした水筒は、見た目では異常がないように見えても内部が破損していることがあります。東京都の資料では、内部が破損した水筒に入れたスポーツ飲料が青緑色に変化し、高濃度の銅が検出された事例が紹介されています。落下後は特に注意し、使う前に内側を確認してください。
水やお茶なら金属製の水筒に入れても問題ありませんか?
水や麦茶など酸性度の低い飲み物は、一般に金属が溶け出すリスクは低いとされています。ただし容器ごとに使用できる飲み物の条件は異なるため、水筒本体の取扱説明書と飲料の注意書きの両方を確認してください。「スポーツ飲料不可」と表示されている製品もあります。

出典・参考情報

家事の基本と新常識をすべて見る →

広告・アフィリエイト等の取り扱いについては 掲載方針 をご覧ください。