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図解手帖 ZUKAI TECHO

「代引きだから安心」は誤解|偽物が届くネット通販トラブルと支払い前の確認

代金引換は「商品が届いてから払える」仕組みですが、中身が本物かは開封するまで分かりません。支払ったあとに偽物と分かっても宅配業者からは返金されません。国民生活センターの相談データをもとに、支払い前・注文前にできる確認ポイントを図解でまとめます。

ネット 読了 4 分 公開:
代金引換で偽物が届くトラブルを防ぐ6つの確認(送り状の依頼人・発送元の国・受取拒否・返金の可否・特商法表記・支払い方法)を示した図解
代金引換で偽物が届くトラブルを防ぐ6つの確認(送り状の依頼人・発送元の国・受取拒否・返金の可否・特商法表記・支払い方法)を示した図解

代金引換(代引き)は「商品が届いてから払える」仕組みですが、「中身を確認してから払える」仕組みではありません。 支払うのは開封前。中身が偽物だと分かるのは、代金を払って箱を開けたあとです。そして払ってしまうと、宅配業者からは返金されません。

国民生活センターによると、インターネット通販での代金引換に関する相談は2019年度の5,623件から2024年度は14,013件へと増えています。そのうち偽物に関連する可能性のある相談は、2024年度で52.5%、2025年度(6月30日まで)で53.1%と半数を超えています。海外が関係する相談の割合も2019年度の7.5%から2025年度は28.1%に上がっています。

なぜ「代引きなら安心」と思ってしまうのか

クレジットカード番号を偽サイトに入力しなくて済む、という点では、代金引換にたしかに利点があります。カード情報の流出リスクを避けられるため、「支払いが代引きなら大きな被害にはならない」と考える人は少なくありません。

しかし、被害の形が変わるだけです。カード情報は守られても、支払った現金は戻りにくくなります。クレジットカード払いであればカード会社にチャージバック(返金申請)を相談できる場合がありますが、代金引換では現金がその場で販売業者側に渡ります。返金を求める相手は販売業者であり、偽サイトの場合は連絡がつかないことが多いのが実情です。

支払う前にできる確認

荷物が玄関に届いてから代金を払うまでの数十秒が、実質的に最後の判断ポイントです。

1. 送り状の「依頼人」を見る

送り状には差出人(依頼人)の名前と住所が書かれています。注文した販売業者の名前と一致しているか、支払う前に確認してください。まったく知らない名前だったり、注文した店名と違ったりする場合は、そのまま受け取らずに配達員へ「受け取りを拒否します」と伝えられます。

2. 発送元の住所を見る

国内の店で注文したはずなのに発送元が国外になっている場合は要注意です。2026年9月3日に消費者庁が公表した貴金属・宝飾品の偽サイトの事例でも、支払い方法は代金引換のみで、発送元は日本国外でした。届いた金貨を検査したところ主な成分は銅と鉄で、真珠のネックレスは模造品だったと公表されています。

3. 心当たりがなければ受け取らない

家族の誰かが注文したのかもしれない、と迷う場面はあります。その場でわからなければ、いったん受け取りを保留して家族に確認するという選択もできます。受け取って支払ってしまうと、そこから引き返すのは難しくなります。

注文する前にできる確認

そもそも偽サイトで注文しない、というのが最も確実です。詳しくは偽サイト・偽通販の見分け方チェックリストにまとめていますが、代金引換にしぼると次の2点が効きます。

特定商取引法に基づく表記があるか。 事業者名・住所・電話番号が書かれていないサイトは、法律で求められている表示がされていない可能性があります。住所が書かれていても、地図で調べると存在しない場所だったり、無関係の建物だったりすることがあります。

支払い方法が代金引換しか選べないか。 クレジットカードやコンビニ払いなど複数の手段を用意している店に比べ、代金引換のみに限定している店は、決済代行会社の審査を通っていない可能性があります。国民生活センターに寄せられた事例でも、代金引換のみの偽サイトが目立ちます。

支払ってしまったあとにできること

すでに代金を払い、偽物が届いた場合でも、できることはあります。

商品の箱・送り状・注文時の画面の記録は捨てずに残してください。販売サイトの画面はスクリーンショットで保存しておくと、相談時に状況を説明しやすくなります。そのうえで、最寄りの消費生活センターまたは消費者ホットライン188(局番なし)に相談してください。同種の被害が集まることで、注意喚起や偽サイトの公表につながることがあります。

なお、SNS広告から偽サイトに誘導される経路も増えています。広告経由で見つけた店で買う前には、ブランドの公式サイトを別途検索して、そこからたどり着けるかどうかを確かめる習慣が有効です。あわせてネット通販を安全に使うための基本もご覧ください。

出典:国民生活センター「代引き配達を利用したインターネット通販のトラブルにご注意」(2025年8月20日公表)、同「偽物が届くインターネット通販トラブルで“代引き配達”の利用が増加しています!!」(2023年4月26日公表)、消費者庁「大手貴金属・ジュエリーショップをかたり貴金属や宝飾品の偽物を販売する偽サイトに関する注意喚起」(2026年9月3日公表)

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この記事を書いた人

図解手帖編集部 編集部

暮らしの実用情報を1枚図解+解説でお届けする編集部です。公式・一次情報を出典に、断定を避けた正確な情報発信を心がけています。

よくある質問

代金引換なら、中身を確認してから支払えるのでは?
支払うのは荷物を受け取る時点で、開封する前です。箱の中身が本物かどうかは、代金を払って開けてみるまで分かりません。国民生活センターは、代金引換だからといって安心せず、販売サイトの表示等をよく確認するよう呼びかけています(出典:国民生活センター 2025年8月20日公表)。
代引きで払ったあとに偽物だと分かったら、宅配業者に返金してもらえますか?
宅配業者は販売業者に代わって代金を預かっているだけなので、宅配業者に返金を求めても返金はされません。返金の交渉相手は販売業者になりますが、偽サイトでは連絡がつかないケースが多いと報告されています(出典:国民生活センター)。
荷物が届いてから「怪しい」と気づいたらどうすればよいですか?
代金を支払う前であれば、受け取りを拒否できます。支払い前に送り状の「依頼人」欄を確認し、注文した販売業者と違う名前や、心当たりのない差出人であれば受け取らないという判断ができます。不安なときは消費者ホットライン188に相談してください。
どんな通販サイトが危ないですか?
事業者名・住所・電話番号などの特定商取引法に基づく表記がない、注文の最終確認画面が表示されない、日本語の表現が不自然、支払い方法が代金引換しか選べない、といったサイトは注意が必要です。消費者庁は偽サイトのドメイン名を公表することがあるので、購入前に「サイト名+詐欺」で外部検索するのも有効です。

出典・参考情報

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