高齢者インフル定期接種、今年は前倒しの自治体も|確認する5点
インフルエンザの早い流行を受けて、高齢者インフルエンザ定期予防接種の開始日を9月下旬に前倒しする自治体が出ています。開始日・費用・予診票の届く日は市区町村ごとに違い、手元の案内に古い日付が載っている例もあります。接種前に確認したい5点を1枚図解に整理しました。
インフルエンザの流行が例年より早く始まったことを受けて、高齢者インフルエンザの定期予防接種を9月下旬に前倒しする自治体が出ています。 例年は10月1日開始が多いところ、東京都港区と品川区は9月24日、中野区は9月25日から開始すると公式に発表しました。ただし前倒しは全国一律ではありません。開始日も費用も、決めているのは国ではなく市区町村です。
なぜ自治体ごとに違うのか
高齢者のインフルエンザ予防接種は、予防接種法にもとづく定期接種です。厚生労働省のページでは対象を「65歳以上の方」と「60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器の機能またはHIVによる免疫の機能に一定の障害がある方」とし、スケジュールは「毎年度、秋冬に1回の接種を行います」とだけ示しています。
つまり国が定めているのは「秋冬に1回」までで、何月何日から始めるかは実施主体である市区町村が決めるという構造です。だから同じ東京23区内でも、開始日が9月24日・9月25日・10月1日と分かれます。例年より早い流行が報じられても、自分の市区町村が前倒ししているとは限りません。
流行状況そのものはインフルエンザが8月に流行入りにまとめています。
接種前に確認したい5点
1. 自分の市区町村の開始日
市区町村の公式サイトで「高齢者インフルエンザ 定期予防接種」を探します。前倒しした自治体はページの見出しに開始日を入れていることが多く、更新日も確認できます。接種期間を過ぎたり、始まる前に受けたりすると全額自己負担になる点は、どの自治体も共通して注意を促しています。
2. 自己負担額(無料とは限らない)
ここが見落とされやすいところです。品川区は接種費用を無料としていますが、中野区は自己負担額2,500円(生活保護受給者などは免除)としています。同じ「定期接種」でも、費用は自治体が決めるため隣の区と違うことがあります。 他の自治体のページや、SNSで見かけた金額を自分の地域に当てはめないでください。
3. 予診票がいつ届くか
品川区・中野区はいずれも予診票の発送を9月18日としています。開始日(9月24日・25日)の直前です。届く前に接種したい場合の扱いは自治体によって異なり、中野区は保健所の窓口で直接交付を受けられるとしています。まず手元に予診票が来るのを待つか、窓口に問い合わせるかを決めておくと当日慌てません。
4. 封筒や案内に古い日付が残っていないか
中野区は自身のページで、予診票の送付用封筒・予診票・同封の案内に開始時期が「10月1日」と記載されていると明記し、了承を求めています。 前倒しの決定が印刷物の制作に間に合わなかったためです。手元の紙より、自治体サイトの最新のお知らせのほうが新しいことがあります。紙の日付を見て「まだ先だ」と判断しない、というのが今年に限って必要な注意点です。
5. 新型コロナなど他のワクチンの扱い
前倒しされるのはインフルエンザだけのことがあります。品川区は新型コロナの定期接種開始日を10月1日のままとし、9月中に接種する場合は自費になると案内しています。なお同区は、インフルエンザワクチンと新型コロナ・帯状疱疹ワクチンとの接種間隔に制限はないとしています。同時に受けるか分けるかは、医療機関で相談してください。
予約と在庫の確認も早めに
中野区は、早期接種期間(9月25日〜9月30日)は区内の医療機関で接種すること、事前に医療機関へワクチンの在庫状況を確認することを求めています。開始日が前倒しになっても、医療機関側の受け入れ体制が同じ日に整うとは限りません。医療機関への予約時に「定期接種の予診票で受けられるか」「ワクチンの在庫はあるか」の2点を確認しておくと確実です。
行政のお知らせを見落としがちな人は、自治体の公式アプリや通知サービスを使う方法もあります(自治体アプリ・公式LINEの使い方)。
接種するかどうかは医師と相談を
厚生労働省は、インフルエンザワクチンについて「接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありません」としたうえで、発病の予防や重症化・死亡の予防に一定の効果があるとされている、と説明しています。一方で、発熱している場合や重篤な急性疾患にかかっている場合は接種を受けられないこと、基礎疾患のある方などは事前に医師に相談することも示されています。
この記事は開始日や手続きの確認方法を整理したものです。接種を受けるかどうか、いつ受けるかの判断は、かかりつけ医など医療機関にご相談ください。 予防接種の一般的な疑問は、厚生労働省の「感染症・予防接種相談窓口」(0120-995-956/平日午前9時〜午後5時)でも相談できます。
家庭でできる日常の備えはかぜ・インフルエンザの予防と手洗いの基本に、家族内で感染者が出たときの動線の分け方は冬の同時流行に備える家庭の工夫にまとめています。
出典:厚生労働省 インフルエンザワクチン(季節性)、厚生労働省 65歳以上に実施している予防接種、港区 プレスリリース(2026年9月9日)、品川区 令和8年度 高齢者インフルエンザ定期予防接種、中野区 令和8年度高齢者インフルエンザ定期予防接種のお知らせ
※開始日・費用・予診票の発送日は自治体ごとに異なり、変更される場合があります。最新の内容はお住まいの市区町村の公式ページでご確認ください。
この記事を書いた人
図解手帖編集部 編集部
暮らしの実用情報を1枚図解+解説でお届けする編集部です。公式・一次情報を出典に、断定を避けた正確な情報発信を心がけています。
よくある質問
- 自分の住む市区町村が前倒ししているか、どこで分かりますか?
- お住まいの市区町村の公式サイトで「高齢者インフルエンザ 定期予防接種」を探すのが確実です。多くの自治体が「令和8年度」のお知らせページを持っており、そこに接種期間が書かれています。前倒しした自治体はページ見出しに開始日を入れていることが多く、更新日も併せて確認できます。分からないときは市区町村の予防接種担当窓口に電話で確認してください。
- 予診票が届く前に接種を受けられますか?
- 自治体によって扱いが違います。たとえば中野区は予診票の発送が9月18日で、接種開始(9月25日)前に受け取りたい人は保健所の窓口で直接交付を受けられるとしています。一方、予診票がないと接種できない運用が一般的です。届く前に接種したい場合は、まず市区町村の予防接種担当に確認してください。
- インフルエンザが前倒しなら、新型コロナの定期接種も前倒しですか?
- 別々に決まります。たとえば品川区は高齢者インフルエンザを9月24日開始に前倒ししていますが、新型コロナの定期接種開始日は10月1日のままで、9月中に接種する場合は全額自己負担になると案内しています。両方を検討している場合は、それぞれの開始日を自治体のページで確認してください。
出典・参考情報
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/influenza/index.html
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/years-65.html
- https://www.city.minato.tokyo.jp/houdou/kuse/koho/press/202609/20260909.html
- https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kenkou/yobousessyu/hpg000013209.html
- https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kenko_hukushi/kenshin_yobousessyu/yobosessyu/otona-yobosessyu/koreisya-influenza.html
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