還付金・特殊詐欺の手口と防ぎ方
「税金が戻ります」「警察です」——特殊詐欺の代表的な手口と、電話・ATM・SNSそれぞれの断り方を整理します。警察庁・消費者庁の事例をもとに解説。
「還付金があります」「警察のものですが口座が危険です」——警察庁によると2025年の特殊詐欺の被害額は約1,414億円(前年比約2倍)で過去最悪を更新し、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺を合わせると被害総額は3,200億円を超えました。2026年上半期(1〜6月)はさらに増え、被害額1,816億円(暫定値)と前年同期比51.7%増で、半期として過去最悪となっています。被害者は高齢者に限りません。手口を知っておくだけで、防げる確率が大きく上がります。
注記:この記事は一般的な防犯知識の整理を目的としています。被害に遭った場合は警察(110番)または消費者ホットライン(188)へご相談ください。
代表的な特殊詐欺の手口
還付金詐欺(オレオレ詐欺の変形)
市役所や税務署をかたる人物から「医療費・保険料の還付金がある。ATMで手続きできる」と電話が来るパターン。ATMで操作させることで、実際には「振り込む」手続きをさせます。公的機関がATM操作を電話で指示することはありません。
オレオレ詐欺・架空請求
- 子や孫を装い「事故を起こした、示談金が必要」と電話してくる
- 「未払いの料金がある」とショートメッセージ(SMS)が届く
- 「警察・弁護士」などを名乗る複数人が連携して話を作る
SNS型投資詐欺(近年増加中)
SNSやマッチングアプリで接触し、信頼関係を作ったうえで投資話を持ちかけます。「有名芸能人が推薦」「グループチャットで皆が儲けている」という演出が特徴で、最初は少額の利益を体験させて大きな入金を促す手口です。
2026年上半期の手口別内訳では、このSNS型投資詐欺が797.9億円で最多(前年同期の2.3倍)、次いで警察官を装う偽警察詐欺が507.9億円、SNS型ロマンス詐欺が246.6億円でした。1件あたりの平均被害額も840万円(前年同期比28.1%増)に増えています。電話中心だった従来型より、SNS経由の高額被害が主流になりつつあるのが現状です(出典:警察庁)。
消費者庁も2026年9月、著名人になりすましたSNSアカウントから投資に誘われる被害を防ぐための注意喚起動画を公開しました。相談件数(PIO-NET登録分、2026年7月末まで)は増加が続いており、「SNSきっかけの勧誘はまず疑う」「振込先が個人名義の口座なら詐欺」「元本保証・必ず儲かるは詐欺の合図」という基本を繰り返し呼びかけています(出典:消費者庁)。
今日できる防止策1つ
固定電話を「常時留守電設定」にする。
知らない番号には出ない環境を作るだけで、電話口での誘導が効かなくなります。自治体によっては迷惑電話防止機器の無料貸し出しや購入補助制度もあります。
断る技術:電話で詐欺師が最も嫌がること
詐欺師は「今すぐ」「今日中に」と急かします。「わかりました、折り返します」と言って一度電話を切る——これだけで大半の詐欺は防げます。感情的に動かされる前に物理的に時間を作ることが重要です。
電話を切ったあとは、家族や知人に話を聞いてもらう、あるいは警察の相談窓口(#9110)に電話するだけで視野が広がります。
ATMで操作を求められたら
ATMの前で電話しながら操作させるのは詐欺の典型的な流れです。銀行やコンビニATMには注意喚起のシールや警告音が設置されている場合もあります。「ATMで還付金の手続き」という言葉が出たら、迷わず電話を切ってください。
まとめ
- ATM操作を電話で指示する公的機関は存在しない
- 「今すぐ」「今日中に」は詐欺の合図——一度電話を切る
- 固定電話を常時留守電にする設定が最もシンプルな対策
- SNSの投資話は「元本保証」「必ず儲かる」が出たら詐欺を疑う
- 不安なら警察相談窓口(#9110)・消費者ホットライン(188)へ
詐欺の手口は年々変化しています。警察庁や消費者庁の公式サイトで最新情報を確認することも有効です。
詐欺・防犯まとめ:この記事は詐欺・防犯まとめの一部です。手口を知る・被害に遭ったときの対処・ふだんの守りまでを一覧で整理しています。判断に迷うときは、お金を動かす前に消費者ホットライン188(いやや)・警察相談専用**#9110**(緊急時は110番)へ。
この記事を書いた人
図解手帖編集部 編集部
暮らしの実用情報を1枚図解+解説でお届けする編集部です。公式・一次情報を出典に、断定を避けた正確な情報発信を心がけています。
よくある質問
- 「還付金がある」と電話が来たら、まず何をすればいい?
- 電話口での指示に従わず、いったん電話を切ることが最初のステップです。その後、自治体や税務署の代表番号(電話帳・公式サイトで調べた番号)に折り返して確認してください。公的機関がATMの操作を電話で指示することは絶対にありません。
- 親や祖父母が詐欺に遭いそうで心配。事前にできることは?
- 自動通話録音機の設置、着信フィルタリングサービスの利用、「知らない番号には出ない」「ATM操作は絶対しない」というルールを家族で共有することが有効です。固定電話を留守番電話設定にするだけでも抑止効果があります。
- SNS上の「投資で儲かる」という勧誘はどう判断すればいい?
- 有名人や著名投資家をかたるSNS広告は詐欺のリスクが高いです。「元本保証」「必ず儲かる」という表現は法律上も問題のある表現です。グループチャットに誘導されたら詐欺を疑い、金融庁の「金融サービス利用者相談室」(0570-016811)に相談することをお勧めします。
出典・参考情報
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