75歳以上の運転免許更新の流れ|認知機能検査・高齢者講習・運転技能検査
高齢者の運転免許更新で受けるものは、70歳・75歳・違反歴の3つで変わります。認知機能検査と高齢者講習と運転技能検査の違い、通知が届く時期、不合格になると何が起きるのかを警察庁の公式情報をもとに1枚図解で整理します。
高齢者の運転免許更新は、年齢と違反歴の3つの分岐で受けるものが決まります。70歳以上なら高齢者講習、75歳以上ならさらに認知機能検査、そのうえで一定の違反歴があると運転技能検査が加わります。この記事では、それぞれの中身と「不合格だと何が起きるのか」を警察庁の公式情報をもとに整理します。
まず「自分はどれを受けるのか」を確定する
受けるものは重なっていきます。整理すると次の3段階です。
- 70歳以上
- 高齢者講習(実車指導を含む)
- 75歳以上
- 高齢者講習+認知機能検査
- 75歳以上かつ一定の違反歴あり
- 高齢者講習+認知機能検査+運転技能検査
「一定の違反歴」とは、免許証の有効期間が満了する日の直前の誕生日の160日前の日からさかのぼって3年間に、信号無視・速度超過・安全運転義務違反・携帯電話使用等など、定められた11類型の違反を行ったことを指します。うっかり切符を切られた経験がある人ほど、自分が対象かどうかを早めに確認する価値があります。判断に迷う場合は、通知に書かれた内容と、お住まいの都道府県の運転免許センターで確認してください。
通知は「満了日の6か月前まで」に届く
認知機能検査の対象となる人には、運転免許証の更新期間が満了する日の6か月前までに、警察から通知が届きます。検査や講習は満了日の6か月前から受けることができます。
つまり、動ける期間は約6か月あります。予約制の地域では希望日が埋まりやすく、誕生日直前に慌てて連絡すると選べる日が少なくなります。通知が届いた時点で予約を取るのが、いちばん手間の少ないやり方です。親の家に届いた通知が郵便物の山に埋もれていないか、この時期に一度見ておくと安心です。
認知機能検査の中身
認知機能検査は、記憶力や判断力を測る検査で、検査用紙またはタブレットに回答します。検査項目は2つだけです。
- 手がかり再生:一定のイラストを記憶し、別の課題をはさんだあとに、ヒントなし・ヒントありの順で思い出して答える
- 時間の見当識:検査時点の年月日・曜日・時刻を答える
採点の結果、「認知症のおそれがある」か「認知症のおそれがない」かが判定され、書面で通知されます。警察庁は、この検査は簡易な手法であって医師の行う認知症の診断や医療検査に代わるものではないと明記しています。なお、検査用紙やイラスト、採点方法は警察庁のサイトで公開されており、家族が検査員役になって事前に体験することもできます。
運転技能検査だけは「不合格だと更新できない」
ここがいちばん誤解されやすい点です。高齢者講習の実車指導には合否がありませんが、運転技能検査は合格しないと運転免許証の更新を受けられません。
運転技能検査はコース内で普通自動車を実際に運転し、指示速度による走行・一時停止・右左折・信号通過・段差乗り上げといった課題を行います。採点は100点満点からの減点方式で、第一種免許は70点以上、第二種免許は80点以上が合格です。段差乗り上げの課題は、アクセルからブレーキへ確実に踏み換えられるかを見るもので、踏み間違い事故を意識した内容になっています。
なお警察庁の有識者検討会は2026年9月3日、ペダル操作の正確性を確認する課題(方向変換など)の追加を含む見直しの報告書を公表しました。道路交通法施行規則の改正を経て2027年中の実施を目指すとされていますが、現時点の制度はこの記事に書いたとおりです。最新の内容は警察庁の公式ページで確認してください。
「更新しない」も選択肢に入れておく
運転に不安を感じたときの選択肢は、更新か否かの二択ではありません。運転する車を安全運転サポート車に限定するサポートカー限定免許、免許を返す自主返納、返納後に身分証明書として使える運転経歴証明書が用意されています。運転経歴証明書は銀行などで本人確認書類として使えます。
判断に迷う段階では、警察の安全運転相談ダイヤル**#8080(シャープハチマルハチマル)**に相談できます。家族から見て不安がある場合も、いきなり「やめて」と言うより、更新時に何を受けるのかを一緒に確認するところから始めるほうが話が進みやすいはずです。実家まわりの点検は実家の防災点検、親の暮らし全般の確認事項は親の暮らしの安心ガイドにまとめています。家事・手続きの記事一覧は家事からどうぞ。
この記事を書いた人
図解手帖編集部 編集部
暮らしの実用情報を1枚図解+解説でお届けする編集部です。公式・一次情報を出典に、断定を避けた正確な情報発信を心がけています。
よくある質問
- 高齢者講習と運転技能検査は何が違いますか?
- 高齢者講習は70歳以上の全員が受ける「講習」で、実車指導が含まれますが合否の判定はありません。運転技能検査は75歳以上で一定の違反歴がある人だけが受ける「検査」で、合格しなければ運転免許証の更新を受けられません。名前が似ていますが、更新できるかどうかへの影響がまったく違います。
- 認知機能検査で「認知症のおそれがある」と判定されたらすぐ免許取消しになりますか?
- 検査結果だけで取消しになるわけではありません。判定が出た場合は公安委員会から連絡があり、臨時適性検査または診断書提出命令によって医師の診断を受けることになります。認知症であると診断された場合に、聴聞などの手続を経たうえで免許の取消しまたは停止となります。認知機能検査自体は医師の診断に代わるものではないと警察庁も明記しています。
- 検査や講習はいつから受けられますか?
- 運転免許証の更新期間が満了する日の6か月前から受けられます。対象となる人には、満了日の6か月前までに警察から通知が届きます。予約が必要な地域も多いため、通知が届いたら早めに動くほうが安全です。
出典・参考情報
- https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/ninchi.html
- https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/ginoukensa.html
- https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/pdf/r08_koureiuntengaiyou.pdf
- https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/jishuhennou.html
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