草刈り機(刈払機)の事故を防ぐ|キックバックと飛び石の避け方
草刈り機の事故は「刃に触れる」と「飛び石」の2系統。国民生活センターの再現テストでは小石が最大54メートル飛び、受傷者の38%が要入院でした。キックバックが起きる仕組みと、往復刈り・大振りを避けるなどの具体策を図解で整理します。
草刈り機(刈払機)の事故は、大きく「刈刃に触れる」と「飛び石」の2系統に分かれます。 国民生活センターが医療機関ネットワークに寄せられた29件を分析したところ、38%が要入院。刃に触れた事故が59%、飛散物による事故が38%でした。狭い庭でも起こる事故なので、原因ごとの避け方を押さえておきます。
キックバックは「右に振ったとき」に起きる
刈刃はふつう反時計回りに回転しています。刃の先端から右側90度の範囲が、木の根元や杭など地面に固定された障害物に接触すると、回転の力で刈払機の先端が反対側(右側)へ強く跳ね返されます。これがキックバックです。
再現テストでは、障害物に触れた瞬間に先端が右へ跳ね返り、背後にいた人(ダミー人形)に一瞬で接触しました。しかも接触後も勢いは止まらず、先端が後方を向くまで振り回されています。
避け方は2つ。右に振るときにも草を刈る「往復刈り」をしないこと、振った先が見えない「大振り」をしないことです。刈るのは左から右へ振るときだけ、というのが本来の使い方です。障害物が多い場所と分かっているなら、金属刃ではなくナイロンコードカッターを選ぶとキックバック自体が起きません。
飛び石は刃の種類で飛距離が3倍以上違う
これが数字で見ると一番おそろしい部分です。約20ミリの小石を1個ずつ飛散させて最大距離を測ったところ、結果は次のとおりでした。
- 4枚刃:約54メートル
- ナイロンコードカッター:約35メートル
- 8枚刃:約25メートル
チップソー(36枚刃)は刃の間に小石が入らず大きくは飛びませんでしたが、先端のチップが破損して飛ぶことがありました。ナイロンコードカッターは、多量の小石に当てた場合はほとんどが約15メートル以内に散る一方、飛散物の量そのものは多いという特性があります。
50メートル先といえば、住宅地なら数軒先です。作業前に石などを取り除いておくこと、人や物の近くでやむを得ず作業する場合は飛散防止ネットを使うことが対策になります。テストでは作業者の左後方約2.5メートルにネットを置くだけで、遠方への飛散が減っています。
絡まった草を取る瞬間がいちばん危ない
刈刃に草が絡まって回転が止まると、つい、そのまま手を伸ばしたくなります。ところが再現テストでは、エンジンをかけたまま草を取り除いたところ、取り除いた瞬間に刈刃が回転しはじめました。実際に、この状況で指を切った事故が報告されています。
必ずエンジンを止める、コード式なら電源を抜く、充電式ならバッテリーを外す。回転しない状態を作ってから手を近づけてください。
「近づかない」を家族と共有しておく
事故29件のうち、けがをしたのが作業者以外だったケースが5件(17%)ありました。作業中の人は保護メガネで視界が狭く、エンジン音やイヤーマフで周囲の音も聞こえていません。背後から近づいて、作業者が振り向いた瞬間に接触する、という事故が起きています。
国民生活センターは、15メートル以内に人が近づいたら、離れるまで作業を中断するよう呼びかけています。家族で作業する日は、この距離を先に共有しておくのが確実です。
服装は「長袖・保護メガネ・すね当て」が最低ライン
長袖・長ズボンの作業衣、保護メガネ(ゴーグル)、滑りにくい作業靴、すね当て。エンジン式なら耳覆いと防振手袋も加わります。転倒したときに刈刃が脚に接触する事故が実際にあるため、足場の悪い斜面ではとくに注意が必要です。移動するときは、必ず刈刃の回転を止めてから動きます。
作業は暑い時間帯を避け、水分と休憩を挟んでください。目安は熱中症の基本にまとめています。機種選びは充電式の草刈り機はなぜ今話題?、ほかの家事の記事は家事カテゴリからどうぞ。
この記事を書いた人
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よくある質問
- キックバックはどうすれば避けられますか?
- 金属刃の右前側が地面に固定された障害物に当たると起きやすいとされています。国民生活センターは、右に振ったときにも草を刈る「往復刈り」と、振った先が確認しにくい「大振り」を避けること、障害物が多い場所ではナイロンコードカッターを使うことを挙げています。
- 刃に絡まった草はどう取り除けばよいですか?
- エンジンを止める、またはバッテリーを外すなどして、刈刃が回転しない状態にしてから取り除きます。再現テストでは、エンジンをかけたまま草を取り除いた瞬間に刈刃が回り始めることが確認されています。
- 家族が近くにいるときはどうすればよいですか?
- 作業中の人には近づかないのが基本です。国民生活センターは、作業者から15メートル以内に人が近づいた場合は、その人が離れるまで作業を中断するよう呼びかけています。やむを得ず近づくときは、前方から視界に入るように近づくか、刈刃の届かない範囲から笛などで音を立てて知らせます。
出典・参考情報
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