内水氾濫とは|ハザードマップの想定区域外でも浸水する理由
千葉豪雨では浸水被害の半数以上がハザードマップの想定区域外で発生しました。原因は「内水氾濫」——下水道が処理しきれない雨水が街にあふれる現象です。外水氾濫との違い、確認方法、自宅でできる対策を図解でまとめました。
千葉県で発生した記録的豪雨では、浸水被害の半数以上が「ハザードマップの想定区域外」で起きていたと報じられました。原因の中心は、川の氾濫ではなく「内水氾濫」——下水道や排水路が処理しきれない雨水が街にあふれる現象です。ハザードマップを確認していても見落としやすいこのリスクと、自宅でできる対策を整理します。
内水氾濫とは何か
内水氾濫とは、強い雨が下水道や排水路の処理能力を超えたときに、行き場を失った雨水が道路や住宅地にあふれる現象です。1時間に100mmを超えるような猛烈な雨では、一般的な下水道の排水能力を大きく上回ることがあります。川が近くになくても、低い土地やくぼ地では発生します。
外水氾濫との違い
外水氾濫は、川の水位が上がって堤防を越えたり壊れたりして水が広がる現象です。内水氾濫は排水不良が原因で市街地の中に水が溜まる現象で、発生場所も仕組みも異なります。浸水する棟数は内水氾濫の方が多い傾向がある一方、被害額は外水氾濫の方が大きくなりやすいとされています。
なぜ「想定区域外」でも浸水するのか
多くの自治体が公表している「洪水ハザードマップ」は、主に河川の氾濫(外水)を想定して作られています。内水氾濫のリスクを示す「内水ハザードマップ」は別に作られる制度で、公表している自治体とそうでない自治体の差があります。洪水ハザードマップで色がついていない場所でも、内水氾濫のリスクがゼロとは限りません。
自宅のリスクを確認する方法
お住まいの自治体のウェブサイトで「内水ハザードマップ」が公表されていないか確認してください。なければ、周囲より低い土地・アンダーパス(道路の掘り下げ部分)・くぼ地に近いかどうかを自分の目で確認するのが実用的です。地下や半地下の部屋、地下駐車場がある場合は特に注意が必要です。
「探しても見つからない」ことは珍しくない
内水浸水想定区域図は水防法にもとづいて作成・公表が義務づけられていますが、整備は道半ばです。共同通信の調査として、義務の対象となる約1,100自治体のうち6割超が2026年3月末時点で未公表であり、国が対応を要請したと報じられました。つまり「自治体のサイトで見つからない=安全」ではなく、「まだ作られていない」可能性のほうが高いということです。
見つからない場合は、次の順に代替の手がかりを当たると実用的です。
- 自治体の「浸水実績図」「過去の浸水履歴」(想定図より先に公表されていることがあります)
- ハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」で土地の高低差を確認する
- 近所の古くからの住民や自治会に、過去に道路が冠水した場所を聞く
今すぐできる対策
- 玄関・車庫・換気口の隙間から浸水しやすいため、土のうや止水板を備えておく(ホームセンター等で購入可)
- 短時間強雨の予報が出たら、道路の冠水情報をこまめに確認し、アンダーパスの走行を避ける
- 地下・半地下の部屋がある場合は、水のうや止水シートなど簡易な備えを用意しておく
- 停電・断水に備えた基本の備蓄はハザードマップの見方と避難場所の確認や台風への備えチェックリストも参考にしてください。
この記事を書いた人
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よくある質問
- 内水氾濫と外水氾濫はどう違いますか?
- 外水氾濫は川の水位が上がって堤防を越えたり壊れたりして水があふれる現象です。内水氾濫は、雨水が下水道や排水路の処理能力を超えたときに市街地内で水が行き場を失い、道路や住宅地に溜まる現象です。川から離れた場所でも、短時間に強い雨が降れば内水氾濫は起こります。
- ハザードマップを見れば内水氾濫のリスクも分かりますか?
- 一般的な「洪水ハザードマップ」は主に河川の氾濫(外水)を想定して作られており、内水氾濫のリスクを十分に反映していない場合があります。内水浸水を対象にした「内水ハザードマップ」を別途公表している自治体もあるため、お住まいの自治体のサイトで「内水ハザードマップ」の有無を確認するのが確実です。
- 自宅が想定区域外でも浸水対策は必要ですか?
- 必要です。想定区域外は「浸水しない」ことを保証するものではなく、内水氾濫のように地図に反映されにくいリスクもあります。周囲より低い土地・アンダーパス・地下や半地下の部屋があるかどうかを自分の目で確認し、土のうや止水板などの備えをしておくと安心です。
出典・参考情報
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