水没した車の対処手順|エンジンをかけない・レッカー高額請求を防ぐ
豪雨や台風で車が冠水・水没したときの正しい対処手順を図解でまとめました。外観が無事でもエンジンをかけないこと、HV・EVの高電圧部に触れないこと、そしてレッカー依頼で高額請求を受けないための確認ポイントを、国土交通省・国民生活センターの情報をもとに整理します。
豪雨や台風で車が冠水・水没したら、まずやるべきなのは「動かさないこと」です。外観に問題がなくても、感電や電気系統のショートによる車両火災が起きるおそれがあります。そしてもうひとつ、被災地では「レッカー移動で法外な料金を請求された」という相談が実際に起きています。安全面とお金の面、両方を同時に守る手順を整理しました。
水没した車でまずやってはいけないこと
自分でエンジンをかけないでください。国土交通省は、水に浸った車両について「外観上問題がなさそうな状態でも、感電事故や、電気系統のショート等による車両火災が発生するおそれがある」として、自分でエンジンをかけず販売店や整備工場に相談するよう呼びかけています。
「少し水に浸かっただけ」「もう乾いた」という自己判断が一番危ない場面です。水に浸かった電気配線やコネクタは、乾いたように見えても内部に水分や泥が残り、通電した瞬間にショートすることがあります。
HV・EVは高電圧バッテリー搭載。むやみに触らない
ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は高電圧のバッテリーを搭載しているため、国土交通省は「むやみに触らないで下さい」と明記しています。ボンネットを開けて配線を確認する、オレンジ色の高電圧ケーブルを動かす、といった行為は避けてください。
車両から離れて、販売店・ロードサービス・JAFなどの専門業者に連絡するのが正しい順序です。車内に浸水している場合は、水が引くまで車両をそのままにしておく判断も必要になります。
使うまでの間はバッテリーの−(マイナス)端子を外す
放置している間も発火のおそれがあるため、国土交通省はバッテリーのマイナス側ターミナルを外すよう案内しています。外した端子がバッテリーに再接触しないよう、テープなどで覆う措置もあわせて示されています。
ただしこれはガソリン車の12Vバッテリーを想定した作業です。HV・EVで高電圧系に手を出す必要はありません。作業に不安があるなら、無理をせず専門業者の到着を待ってください。
レッカーを頼む前に:ネット検索の「基本料金」を鵜呑みにしない
ここが見落とされがちなポイントです。国民生活センターには「インターネットで検索したロードサービス事業者に依頼したら、説明のなかった高額な費用を請求された」という相談が寄せられており、その件数は2018年度43件、2021年度231件、2022年度は773件と前年度の約3.3倍に急増しています。
公表された事例では、サイト表示は「基本料金3,480円」だったのに、現場で「バッテリー交換」「高電圧車の作業費」などの名目が積み上がり、最終的に6万5,000円を請求されたケースが紹介されています。
同センターが示すアドバイスの要点は次の3つです。
- 車のトラブル時は、まず契約している損害保険会社や保険代理店に問い合わせる(ロードサービスが付帯していることが多い)
- 広告に表示された料金だけを鵜呑みにしない
- 請求された内容に納得できないときは、その場で支払わず消費生活センターに相談する
被災直後は「早くどけてほしい」という焦りにつけ込まれやすい局面です。依頼前に「総額はいくらか」「追加費用が出る条件は何か」を書面かメッセージで残すだけで、後のトラブルはかなり防げます。
保険と罹災の手続きも同時に進める
車両保険に水災補償が含まれていれば、水没による損害が対象になる場合があります。修理か買い替えかの判断は保険会社の査定が起点になるので、レッカーの手配より先に連絡するのが結果的に早道です。あわせて、自治体の罹災証明の申請に備えて現状の写真を撮っておくことも忘れずに。
被災後の記録の残し方は罹災証明のための写真の撮り方、住まい側の後片付けは浸水後の後片付けと消毒のやり方にまとめています。災害に便乗した訪問修理の勧誘には住宅設備の点検商法も参考にしてください。
車の備え全般は車に積んでおきたい防災セット、冠水路を避ける判断は台風のあとにやることへ。ほかの防災トピックは防災カテゴリ一覧から探せます。
この記事を書いた人
図解手帖編集部 編集部
暮らしの実用情報を1枚図解+解説でお届けする編集部です。公式・一次情報を出典に、断定を避けた正確な情報発信を心がけています。
よくある質問
- 水が引いたあと、車は動かしてもいいですか?
- 国土交通省は、水に浸った車は外観上問題がなさそうでも自分でエンジンをかけないよう呼びかけています。感電や電気系統のショートによる車両火災が起きるおそれがあるためです。使いたい場合は販売店か整備工場に相談してください。
- ハイブリッド車や電気自動車で気をつけることは?
- HV・EVは高電圧のバッテリーを搭載しているため、むやみに触らないよう国土交通省が注意を呼びかけています。ボンネットを開けて自分で点検しようとせず、販売店やロードサービスに任せてください。
- レッカーを頼んだら高額な請求をされました。どうすれば?
- 請求された金額や作業内容に納得できないときは、その場で支払わず、まず契約している損害保険会社や消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談してください。支払ってしまったあとでも、早めに相談すれば対応の選択肢が残る場合があります。
出典・参考情報
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