切り傷・擦り傷の正しい応急手当|消毒液は使わない・流水で洗うが基本
切り傷・擦り傷の正しい応急手当の方法をまとめました。「消毒液を使わない」「傷を乾かさない」という現代の傷ケアの考え方と、病院に行くべき傷の見分け方まで解説します。
擦り傷・切り傷の手当は「消毒してから絆創膏を貼る」というイメージが広まっていますが、現在の医療の考え方は変わっています。正しい手当の方法を確認しておきましょう。
この記事は一般的な情報をまとめたものです。傷の状態によっては医療機関の受診が必要です。判断に迷う場合はかかりつけ医にご相談ください。
切り傷・擦り傷の正しい応急手当
手順
1. まず流水でしっかり洗う(最も重要)
水道水を流しながら、傷口の砂・土・汚れ・血液を丁寧に洗い流します。流水で洗うことで細菌を除去し、傷の自己修復を助けます。洗う時間は1〜2分以上を目安に。
2. 消毒液は使わない(原則)
日本医師会の情報によると、一般的な切り傷・擦り傷に消毒液を使うことは現在推奨されていません。消毒液は細菌だけでなく、傷を治す細胞(自己修復細胞)も傷めてしまうためです。流水での洗浄が消毒の代わりになります。
3. 傷口を乾かさない
傷口は乾燥させると治りが遅くなるとされています(湿潤療法)。創傷被覆材(キズパワーパッドなど)や、白色ワセリン等の軟膏を薄く塗ってからラップや絆創膏で覆うことで湿潤環境を保てます。
「消毒→ガーゼで覆う」は古い方法
以前は「消毒液で消毒→ガーゼで覆う→乾燥させる」が標準的な手当でした。しかし現在の医療では「流水で洗浄→乾かさない(湿潤環境)」が基本的な考え方とされています。
出血の止め方
- 清潔なガーゼ・ハンカチ・ティッシュなどを傷口に当てて5〜10分圧迫する
- 圧迫中は傷口を見ない(確認のたびに血が固まりかけたものが崩れる)
- 心臓より高い位置に上げる(手・腕の傷なら持ち上げる)
病院に行くべき傷のサイン
以下の場合は自己処置では対応せず、医療機関(外科・救急)を受診してください:
- 出血が5〜10分圧迫しても止まらない
- 傷が深い・大きく口が開いている(縫合が必要な可能性)
- 動物(犬・猫など)に噛まれた(感染症・破傷風のリスク)
- 錆びた金属・汚れた刃物による傷
- 傷の周辺が赤く腫れて熱を持つ・膿が出る(感染の疑い)
- 顔・目の周囲・関節部分の深い傷
やけど(熱傷)の場合
やけどは切り傷・擦り傷とは対処が異なります。対処法はやけどの応急手当と冷やし方を参照してください。
関連記事
- やけどの応急手当と冷やし方——火傷・熱傷の正しい応急処置
- 手洗いの正しいやり方と感染予防の基本——傷の感染予防にもつながる手洗いの重要性
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この記事を書いた人
図解手帖編集部 編集部
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よくある質問
- 消毒液(マキロンなど)は使わなくていいですか?
- 現在の医療の考え方では、一般的な切り傷・擦り傷への消毒液の使用は原則推奨されていません。消毒液は細菌だけでなく、傷を治す自己修復細胞(線維芽細胞など)も傷めてしまうためです。まずしっかりとした流水での洗浄が最優先です。ただし、動物に噛まれた傷・深い刺し傷・汚染が強い傷などは医師の判断が必要です。
- 傷に絆創膏を貼るのはいいですか?キズパワーパッドとの違いは?
- 通常の絆創膏(ガーゼタイプ)は傷口を乾燥させる方向に働くことがあります。「キズパワーパッド」のような創傷被覆材(ハイドロコロイド素材など)は傷口の湿潤環境を保つことで、傷の治癒を助けるとされています。ただし、傷の深さ・大きさ・状態によって適切な処置が異なります。深い傷・出血が止まらない傷は医療機関を受診してください。
- どんな傷は病院に行くべきですか?
- 以下の場合は医療機関(外科・救急)を受診してください:①出血が5〜10分圧迫しても止まらない、②傷が深い・大きく口が開いている(縫合が必要な可能性)、③動物(犬・猫など)に噛まれた、④錆びた金属・汚れた刃物による傷、⑤傷周辺が赤く腫れて熱を持ってきた(感染の疑い)、⑥破傷風ワクチンを接種していない可能性がある場合。
出典・参考情報
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