南海トラフ地震臨時情報とは?|「巨大地震警戒」と「巨大地震注意」の違いと家庭の備え
南海トラフ地震臨時情報は、大規模地震の可能性が普段より高まったと評価されたときに気象庁が発表する情報です。「巨大地震警戒」と「巨大地震注意」では取るべき行動が違います。2024年8月には初めて「巨大地震注意」が発表されました。発表されてから調べるのでは間に合いにくい情報なので、2つの違いと家庭でやることを1枚図解で整理しました。
南海トラフ地震臨時情報は「発表されてから調べる」のでは間に合いにくい情報です。 「巨大地震警戒」なら地域によっては1週間の事前避難、「巨大地震注意」なら日常生活を続けながら備えの再確認と、キーワードによって取るべき行動が変わります。静岡県では臨時情報を想定した訓練を実施した自治体が1割にとどまるとの報道もあり、家庭での事前理解がなおさら重要です。この記事で2つの違いを整理します。
臨時情報とは──「可能性が普段より高まった」ことを知らせる情報
南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフの想定震源域やその周辺で大きな地震や異常な現象が観測され、大規模地震の発生可能性が普段より相対的に高まったと評価された場合などに気象庁が発表する情報です。2019年から運用されています。
発表はまず「調査中」から始まり、評価の結果に応じて「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」のいずれかのキーワードが付きます。地震の予知ではないため、発表されても地震が起きないことも、発表がないまま大地震が起きることもあります。
「巨大地震警戒」──事前避難の対象か確認する
想定震源域内でマグニチュード8以上の地震が発生したと評価された場合に発表されます。このとき呼びかけられるのが、後発地震の津波から逃げ遅れるおそれのある地域(事前避難対象地域)の住民の1週間の事前避難です。対象地域は市町村が指定しているため、該当するかどうかを平時に確認しておくことが最大の備えになります。対象外の地域でも、日頃の備えの再確認と「地震が起きたら直ちに避難できる態勢」が求められます。
「巨大地震注意」──日常を続けながら備えを再確認する
マグニチュード7以上8未満の地震や、通常と異なるゆっくりすべりが観測された場合に発表されます。事前避難は伴いません。日常生活や社会活動を続けながら、持ち出し袋・家具固定・避難場所・家族の連絡方法を1週間かけて点検するのが基本の行動です。2024年8月8日の日向灘の地震(M7.1)で初めて発表されたのがこのキーワードでした。
家庭で「発表前」に決めておく3つのこと
第一に、自宅が事前避難対象地域かどうか。第二に、発表中に地震が起きたときの避難場所と経路。第三に、家族との連絡手段です。連絡方法は災害時の連絡手段の決め方、持ち出し袋の中身は非常用持ち出し袋の作り方、揺れへの備えは地震のとき室内で身を守る方法と地震発生直後の行動に整理しています。
なお「30年以内に70〜80%」といった発生確率の意味は地震の発生確率の読み方で解説しています。防災の情報は防災カテゴリへ。
※本記事は内閣府・政府広報オンライン・気象庁の公表資料をもとにした一般的な整理です。実際の発表時は、お住まいの市町村の呼びかけに従ってください。
この記事を書いた人
図解手帖編集部 編集部
暮らしの実用情報を1枚図解+解説でお届けする編集部です。公式・一次情報を出典に、断定を避けた正確な情報発信を心がけています。
よくある質問
- 臨時情報が発表されたら、必ず大地震が起きるのですか?
- いいえ。臨時情報は「普段より地震発生の可能性が相対的に高まった」と評価されたことを知らせる情報で、地震の発生を予知するものではありません。発表されても地震が起きないこともあれば、逆に何の前触れもなく大地震が起きることもあります。だからこそ「発表中だけ気をつける」のではなく、日頃の備えの再確認のきっかけとして使うのが現実的です。
- 「巨大地震警戒」の事前避難とは誰が対象ですか?
- 想定震源域でマグニチュード8以上の地震が起きた場合に発表される「巨大地震警戒」では、後発地震が発生してからの避難では津波から間に合わないおそれのある地域(事前避難対象地域)の住民に、1週間の事前避難が呼びかけられます。対象地域は市町村が指定します。自分の地域が対象かどうかは、お住まいの市町村のホームページや防災窓口で事前に確認しておいてください。
- 2024年8月の「巨大地震注意」のときは何が起きましたか?
- 2024年8月8日に日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生し、気象庁は初めて南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表しました。事前避難は呼びかけられず、地震への備えの再確認が求められ、1週間後に政府の特別な注意の呼びかけは終了しました。この間、日常生活は継続しながら、持ち出し袋や家具固定の点検、避難場所の確認などが各地で行われました。
出典・参考情報
防災カテゴリの他の記事
- 図解 読了 3 分
ダムの緊急放流とは?発表されたらどうする|「異常洪水時防災操作」を図解で整理
台風や大雨のニュースで聞く「ダムの緊急放流」。正式には異常洪水時防災操作といい、満水に近づいたダムが流入量と同じ量を放流する操作です。ダムが決壊するわけではありませんが、下流の水位が急に上がるおそれがあります。発表から放流開始までの流れと、住民が取るべき行動を1枚図解で整理しました。
- 図解 読了 4 分
地震の発生確率の読み方|「30年以内3%」が最上位ランクになる理由
活断層の地震発生確率は「30年以内に3%以上」で最上位のSランクです。低く見える数字が最上位になる理由、S・A・Z・Xの4ランクと「*」の意味、過去の大地震が直前にどう評価されていたかを1枚図解で整理しました。
- 図解 読了 5 分
竜巻の強さ「JEFスケール」とは|JEF0〜JEF5の風速と被害の目安
ニュースで見る「JEF3」「風速約75m/s」は何を意味するのか。気象庁が使う日本版改良藤田(JEF)スケールの6階級と風速の範囲、階級ごとの被害の目安を公式資料に沿って図解で整理しました。竜巻の強さは風速計ではなく被害から推定される仕組みも解説します。
広告・アフィリエイト等の取り扱いについては 掲載方針 をご覧ください。