検索結果を汚染する投資詐欺の新手口に注意|「詐欺ではない」表示を鵜呑みにしない
投資詐欺グループが企業・官公庁の公式サイトの検索機能を悪用し、「◯◯は詐欺ではありません」と表示させる新手口を警視庁が公表しました。AI要約にも影響が及ぶおそれがあり、検索結果を信じると被害に気づけません。仕組みと見分け方を整理します。
「この会社の名前で検索したら、詐欺じゃないって出てきた」——そう思って安心してしまうと危険です。警視庁は、投資詐欺グループが検索結果そのものを操作する新手口について注意を呼びかけました。結論として、検索結果や「詐欺ではない」という表示だけで信用せず、公式の一次情報で別ルートから確認するのが基本の防ぎ方です。
何が起きているのか
警視庁サイバー犯罪対策課によると、投資詐欺グループは民間企業や官公庁が公式サイトに設置している「サイト内検索」機能を悪用し、自分たちに都合の良い宣伝文句を組み込んだURLを大量に作成していました。これらのURLが検索サービスに収集されることで、検索結果や人工知能(AI)による要約表示にまで、詐欺グループにとって肯定的な内容が反映されるケースが確認されています。
実際の事件で使われた「高リターン創出計画」という名称を検索すると、「高リターン創出計画は詐欺ではありません」という趣旨のページが表示された例が報じられています。詐欺グループは、勧誘した相手が不安になってネットで名称を検索することを見越し、あらかじめ「安心材料」を検索結果に仕込んでおく手口とみられます。この手口は「サイト内検索スパム」と呼ばれ、警視庁は詐欺グループから請け負う業者が中国語でこの手法を宣伝している例も複数確認しています。
なぜ危険なのか
これまでの「怪しい話は検索して確認する」という自衛策そのものが、逆手に取られている点が特に危険です。検索結果の上位に出た情報や、AIによる要約をそのまま信じてしまうと、実際には詐欺に巻き込まれていることに気づかないまま、被害が拡大するおそれがあります。警視庁も「安易に検索結果を信じないでほしい」と警告しています。
検索結果を鵜呑みにしないための3点
1. 検索結果だけで判断しない
「詐欺ではない」という記述がヒットしても、それ自体が詐欺グループによって作られた情報である可能性があります。単一の検索結果を根拠に安心しないことが第一歩です。
2. 金融庁の登録業者一覧など公式情報で裏を取る
投資の勧誘を受けたら、金融庁が公開している免許・登録業者一覧など、検索エンジンを介さない一次情報で実在性・登録状況を確認しましょう。実在の企業名をかたる場合は、その企業の公式サイトに載っている代表電話に自分でかけ直して確認するのも有効です。
3. うまい話・急かす言葉自体を警戒する
「必ず儲かる」「今だけ」「あなただけ」といった話は、検索結果の見え方にかかわらず詐欺のサインです。個別チャットや外部アプリへの誘導、振込の催促があれば、その時点で一度立ち止まりましょう。
もし応じてしまったら
お金を振り込む前であれば、家族や消費者ホットライン「188(いやや)」にまず相談してください。すでに振り込んでしまった場合も、警察相談専用電話「#9110」(緊急時は110番)や最寄りの消費生活センターに早めに相談することが被害の拡大を防ぐ鍵になります。
AIチャットに「ログインURLを教えて」と聞くのは避ける
同じ問題は、検索エンジンだけでなく生成AIチャットの回答でも起きています。セキュリティ企業Netcraftが50ブランドのログイン先をAIに尋ねた調査では、示されたドメインの約3分の1が正規のものではなかったと報告されています。うち約29%は未登録・売り出し中など、第三者が取得すれば偽サイトに仕立てられる状態のドメインでした。
AIは「もっともらしいURL」を生成することがあり、悪意ある側はその予測を先回りしてドメインを取得できます。銀行・カード会社・行政サービスのログイン先だけは、AIや検索結果ではなく、自分のブックマークか公式アプリ、郵送物に記載された案内から開く——これを習慣にしておくと入口を断てます。
出典:トレンドマイクロ 生成AIチャットボットの回答から危険サイトへ誘導される事例
生成AIを使った偽動画・なりすましの手口は生成AI時代の詐欺・偽動画の見抜き方、実在企業をかたる手口は実在企業をかたる「偽キャンペーン」詐欺もあわせてご確認ください。
出典:日本経済新聞・警察庁 SOS47(特殊詐欺対策)・金融庁
詐欺・防犯まとめ:この記事は詐欺・防犯まとめの一部です。手口を知る・被害に遭ったときの対処・ふだんの守りまでを一覧で整理しています。判断に迷うときは、お金を動かす前に消費者ホットライン188(いやや)・警察相談専用**#9110**(緊急時は110番)へ。
この記事を書いた人
図解手帖編集部 編集部
暮らしの実用情報を1枚図解+解説でお届けする編集部です。公式・一次情報を出典に、断定を避けた正確な情報発信を心がけています。
よくある質問
- なぜ検索すると「詐欺ではない」と表示されてしまうのですか?
- 詐欺グループが民間企業や官公庁の公式サイトが持つ「サイト内検索」機能を悪用し、自分たちに都合の良い肯定的な文言を組み込んだURLを大量に作成しているためです。検索サービスがこれを収集し、検索結果やAIによる要約表示にまで影響することがあります(出典:報道各社)。
- 検索結果が正しいかどうか、どう確かめればいいですか?
- 投資勧誘や取引先の実在性は、検索結果だけで判断せず、金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」や、その企業を名乗る場合は公式サイトの代表電話に自分でかけ直すなど、別ルートで確認するのが確実です(出典:金融庁)。
- すでに勧誘に応じてしまいました。どうすればいいですか?
- お金を振り込む前であれば、まず家族や消費者ホットライン「188(いやや)」に相談してください。すでに振り込んでしまった場合も、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署、消費生活センターに早めに相談しましょう。一度振り込んだお金の回収は容易ではありません。
出典・参考情報
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