車に積む防災セット|ふだん使いと兼ねる装備と車中避難の注意
車に常備しておきたい防災装備を5分類で整理。ふだん使いと兼ねられるもの・車内の高温で置いてはいけないもの・車中避難でのエコノミークラス症候群の予防まで、公的情報をもとに図解で解説します。
車は「動く備蓄庫」になりますが、夏の車内は高温になるため置けるものが限られます。ふだん使いと兼ねられる装備を中心に、5分類で整理しました。
この記事は一般的な情報をまとめたものです。体調に不安がある場合や持病がある場合は、医療機関にご相談ください。
車に積む防災セット 5分類
① 水・食べもの
- 水(500mlを数本。一度に大量ではなく、入れ替えやすい単位で)
- 常温で食べられる個包装の食品(ようかん・ビスケット・栄養補助食品)
車内は高温になるため期限は短めに見て、ローリングストックの要領で普段の外出時に消費して入れ替えます。チョコレートや炭酸飲料は夏の車内には向きません。
② 明かり・電源
- 懐中電灯またはランタン(乾電池式。手回し式も可)
- モバイルバッテリー(※車内放置はしない。下記)
- シガーソケット用の充電ケーブル
大容量のポータブル電源を積む場合も、高温環境での保管は劣化・発火リスクにつながります。積みっぱなしにせず、使うときに載せる運用が安全です。
③ トイレ
- 携帯トイレ(凝固剤つき。数回分)
- 黒いポリ袋・ウェットティッシュ・消臭袋
渋滞や通行止めで最も早く困るのがトイレです。使い方と備蓄量の考え方は簡易トイレの備えと使い方を参照してください。
④ 脱出・安全
- 脱出用ハンマー(窓を割る/シートベルトを切る。運転席から手が届く位置に)
- 軍手・ホイッスル
- 三角表示板や停止表示灯、反射材つきベスト
車には法令で**非常信号用具(発炎筒)**の備付けが義務づけられています。有効期限があるため、車検のタイミングで期限を確認しておいてください。警告灯が点いたときの判断は車の警告灯の意味へ。
⑤ 暑さ・寒さ対策
- アルミブランケット(軽く、かさばらない)
- サンシェード・日除け
- レインコート(傘は強風時に使えない)
- 使い捨てカイロ(冬期のみ。夏の車内に置かない)
車内に置きっぱなしにしてはいけないもの
夏の車内は非常に高温になります。次のものはその都度持ち込み、降りるときに持ち出す運用にしてください。
| 置きっぱなしNG | 理由 |
|---|---|
| モバイルバッテリー・電子機器 | リチウムイオン電池は高温で膨張・発火のおそれ |
| スプレー缶(制汗剤・殺虫剤など) | 高温で破裂のおそれ |
| ライター | 高温・直射日光で発火のおそれ |
| 炭酸飲料 | 破裂のおそれ |
| 医薬品 | 高温で品質が変わることがある |
リチウムイオン電池の扱いはモバイルバッテリーの発火を防ぐ、スプレー缶の処分はスプレー缶・電池の捨て方を参照してください。
車中避難で気をつけること
車中で過ごす選択をする場合、同じ姿勢で長時間過ごすことによる**深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)**に注意が必要です。厚生労働省は予防として次を挙げています。
- ときどき、軽い体操やストレッチ運動を行う
- 十分にこまめに水分を取る
- アルコールを控える。できれば禁煙する
- ゆったりとした服装をし、ベルトをきつく締めない
- かかとの上げ下ろし運動をしたり、ふくらはぎを軽くもんだりする
- 眠るときは足をあげる
あわせて、エンジンをかけたままの車中泊は行わないでください。積雪でマフラーがふさがれると排気ガスが車内に逆流します。暑さ対策・寒さ対策は換気と装備で行い、燃料は常に半分以上を目安に給油しておくと選択肢が広がります。
車中避難の実際と避難所との使い分けは車中泊避難の注意点、外出先で被災した場合は外出先・通勤中に被災したらへ。熱中症の兆候は熱中症の基本を確認してください。
家の備えと重複させない
車載分は「家に戻れないときの数時間〜1日」をしのぐ量で十分です。本格的な備蓄は自宅側に置き、車には軽くて劣化しにくいものを残す——この分担にすると、期限管理の手間が増えません。自宅側は非常用持ち出し袋の中身を基準にしてください。
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- 車中泊避難の注意点——車で過ごすときの判断
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- モバイルバッテリーの発火を防ぐ——車内放置がなぜ危険か
- 簡易トイレの備えと使い方——携帯トイレの使い方
- 非常用持ち出し袋の中身——自宅側の備えと分担する
この記事を書いた人
図解手帖編集部 編集部
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よくある質問
- 防災グッズを車に積みっぱなしにしても大丈夫ですか?
- 品目によります。夏の車内は高温になるため、モバイルバッテリーなどのリチウムイオン電池、スプレー缶、ライター、炭酸飲料は車内に放置しないでください。発火・破裂の原因になります。水・レトルト食品も高温で劣化が早まるため、車載分は期限を短めに見て入れ替えます。逆に、軍手・ホイッスル・レインコート・アルミブランケット・携帯トイレなどは積みっぱなしに向いています。
- 車中避難は避けたほうがいいのですか?
- 車中避難そのものが禁止されているわけではなく、プライバシーやペット同伴の面で選ばれることがあります。ただし同じ姿勢で長時間過ごすことで、深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)のリスクがあります。厚生労働省は予防として、こまめな水分補給、軽い体操やストレッチ、かかとの上げ下ろし運動、ゆったりした服装、眠るときに足を上げることなどを挙げています。可能であれば1〜2時間ごとに車外で体を動かしてください。
- 最低限これだけは、というものは何ですか?
- 水・明かり・携帯トイレの3つです。渋滞や通行止めで長時間車内にとどまる状況では、この3つがないと最も早く困ります。次に優先されるのは、脱出用ハンマー(水没・ドアが開かないとき)とモバイルバッテリー(情報と連絡)です。これらはふだんの車内でも使う場面があるため、防災専用に買い足さなくても揃えられます。
出典・参考情報
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